起きたときに感じるつらい肩こりの原因は、普段使っている枕の高さが原因かもしれません。枕は睡眠時の姿勢を保ち寝返りをサポートする効果がありますが、自分に合わない高さの枕を使っていると体への負担を増やしてしまう場合もあるのです。
この記事では、枕の高さと肩こりの関係や枕選びのポイントを解説します。自分に合った枕の選び方を知って、より良い睡眠を手に入れましょう。
目次
枕の役割は?枕の高さと肩こりの関係
睡眠に重要と言われる枕の役割は、主に首と頭を支えることです。人間の頭は進化の過程で脳が大きくなり、重くなったと言われます。成人の頭の重さは5〜6kgほどで、体重の約10%を占めます。(※1)
また、頸椎(首の骨)は頭の重みの影響で緩やかなS字を描いています。質の高い睡眠をとるには、自然な頸椎の形をキープすることが大切です。枕を頭の下におくことで、頸椎の自然なS字カーブを維持できます。
肩こり以外にも!枕の高さが合わないことで起こる症状
枕の高さが合わないと、肩こり以外にも以下3つの症状が起きる可能性があります。
- ・いびき
- ・首の痛み
- ・腰痛
起きたときに肩こり以外の体の不調や、一緒に寝ている人からいびきを指摘された場合は、枕の高さがあっていない可能性を考えましょう。
いびき
自分に適した高さよりも高い枕を使って寝ると、いびきを起こしやすくなります。枕が高いとあごが引いた状態になり、気道をせばめてしまいます。狭い空間を息が通るときに粘膜を振動させ、いびきを生じさせているのです。(※2)
睡眠時のいびきは一緒に寝ている人の睡眠をさまたげるだけでなく、自身の睡眠の質を低下させる可能性があります。たっぷり寝ても寝た気がせず、起きたときのすっきり感を減らしてしまうでしょう。
首の痛み
肩こり以外にも、起きたときに首の痛みを感じる場合は、枕が原因かもしれません。枕が高いとあごをひいた体勢が続き、頸椎が圧迫されます。首筋の筋肉が緊張し続けるため、痛みにつながるのです。
体の筋肉が緊張している状態では、血行不良を起こす可能性があります。血行不良が起きると肩こりや首の痛みなど、体の不調を感じるでしょう。
腰痛
枕を乗せる頭から遠い腰でも、高さの合わない枕によって不調を引き起こす可能性があります。
高すぎる枕を使っていると、体が必要以上にマットレスや布団に沈み込みます。そうすると、腰周囲の血行が悪くなるため腰痛を引き起こすのです。
高い枕が良くないなら、低い枕であれば問題ないかというと、そうではありません。低すぎる枕は仰向けになったとき腰をそりやすくなります。反り腰によって、姿勢の悪さや腰痛につながる場合があります。
肩こり防止につながる枕選びのポイント
ここからは、肩こり防止につながる枕選びのポイントを3つ紹介します。
- ・使用者の体格に合わせる
- ・寝姿勢から選ぶ
- ・枕の硬さ
どのような選び方があるのか知っておけば、新しい枕を購入するときも悩まず決められるでしょう。
使用者の体格に合わせる
枕を選ぶときは、使用者の体格に合わせるのがおすすめです。一般的に、体が大きな男性は背中の厚みがある分、高さのある枕が合う傾向にあります。一方、細身の女性は男性ほど背中の厚みがないため、低めの枕が適しているケースが多いです。
自分に合った枕がわからないときは、体格から考えるとぴったりな枕が見つかりやすくなるでしょう。
寝姿勢から選ぶ
普段寝ている状態がわかる人は、寝姿勢に合わせて枕を選ぶのも一つの方法です。
人が睡眠時に取る姿勢は、大まかに分けて仰向け・うつぶせ・横向きの3つです。人それぞれ寝やすい姿勢は変わるため、寝姿勢に合わせて枕を選ぶと快適な睡眠を得やすくなります。
仰向け寝が多い人は、平均的な枕の高さが合います。うつぶせ寝で寝たい人は、低めの枕がおすすめです。横向きで寝たい場合は、肩で顔の位置が上がりやすいため、高さのある枕が合うでしょう。
枕の硬さ
枕の高さだけでなく、硬さにも注意を向けましょう。人は睡眠時にたくさんの寝返りをうっており、スムーズに寝返りするには枕のサポートが重要になります。
やわらかすぎる枕を選んでしまうと、枕に頭が沈み込んで寝返りがうちづらくなるかもしれません。そのため、ある程度硬さのある枕の方が、寝返りをサポートしてくれる可能性を高められます。
枕の硬さについて詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
理想的な枕の高さを測る方法
ここでは、自分に合った理想的な枕の高さを測る方法を3つ解説します。
- ・壁に背をあてて測る
- ・タオル枕で調整
- ・ねむりの相談所で高さを測る
選び方だけでなく、具体的な枕の高さを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
壁に背をあてて測る
枕の高さを測るためには、首のカーブを計測する必要があります。壁に背中をつけて、まっすぐ立ってみましょう。首のカーブが一番深い場所から、壁までの距離を計ります。
計測するときは、壁に頭をつけたとき顎を引くように意識します。無理に頭を壁につけると、数値にずれが出る可能性があるため注意が必要です。
枕は頭が乗ると少し沈み込むため、枕を購入するときは計測して出た数値よりも少し高めの枕を選びましょう。
タオル枕で調整
枕が低いと感じる場合は、タオルを利用して高さを調整しましょう。枕の周りにタオルを巻いたり、畳んだタオルを枕の上に置いてタオル枕にしたりするのもおすすめです。
タオルは自宅にあるアイテムのため、すぐに計測できます。新しい枕を購入せずとも適切な枕の高さがわかり、次に枕を買うとき役立てられるでしょう。
毎日タオルを畳む手間はかかりますが、気軽に試せる方法といえます。
ねむりの相談所で高さを測る
自分で測っても、枕の高さが正しいのか不安に感じる人もいるでしょう。そのようなときは、「ねむりの相談所」の利用をおすすめします。
ねむりの相談所にはスリープアドバイザーという睡眠のプロが在籍しており、枕の高さだけでなく眠りに関する疑問を網羅的にアドバイスしてくれます。枕の高さ以外にも肩こりの原因があれば、指摘してくれるでしょう。
また、自分自身で枕の高さを測るよりも客観的な意見を得られるため、より正しい数字を導きやすくなります。新しく枕を買うにあたって失敗したくない場合は、プロの手も頼りましょう。
自分に合った枕の高さで肩こり改善を目指そう
気持ちよく起きたい朝にもかかわらず、肩こりを感じるとすっきりしない人が多いでしょう。起床時に感じる肩こりは枕が原因の可能性があり、自分に合った枕を購入すると改善するかもしれません。
枕を選ぶときは、タオル枕での計測やねむりの相談所の利用がおすすめです。自分にぴったりの枕を見つけて、毎朝を気持ちよく迎えましょう。
【参考】
※1頭の重さ知ってる?|げんきや接骨院高幡不動
※2いびきを抑える枕 – コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京