「よく夜中に目が覚める」
「就寝中に起きてしまい、再び寝られない」
そんな状態が続いてしまうと、体は悲鳴をあげてしまいますよね。
そこで、今回は夜中に目が覚めてしまう原因と、その対処法についてご紹介します。
目次
夜中の同じ時間に目が覚めるのはなぜ?
夜中に目が覚めてしまうのは、不眠症の一種です。
不眠症は症状によっていくつかのタイプに分けられますが、夜中に起きてしまうタイプは「中途覚醒」に分類されます。
それでは、なぜ夜中の決まった時間に目が覚めてしまうのでしょうか。
代表的な原因について、解説していきます。
【原因①】加齢
年齢は、睡眠のリズムに大きな影響を与えます。
以前は朝まで問題なく眠れていたのに、近ごろ夜中に目が覚めてしまうという人は、加齢が原因かもしれません。
まず、中高年になると睡眠のパターンが変わり、早寝早起きになっていきます。
これは、年とともに体内リズムが前倒しになるためです。
白髪が増えたり体力が落ちたりするのと同じように、加齢による自然な変化なので特に心配する必要はありません。
さらに、加齢によって睡眠が浅くなりやすいことも関係しています。
就寝中は、浅い睡眠である「レム睡眠」と、深い睡眠である「ノンレム睡眠」が周期的に繰り返されています。
しかし、加齢に伴いレム睡眠の時間が増え、ノンレム睡眠の時間が減ってしまうことがわかっています。
眠りの浅い時間帯が増えることで、少しの物音や軽い尿意でも目が覚めやすくなるというわけです。
【原因②】ストレス
ストレスも、夜中に目が覚めてしまう原因のひとつです。
睡眠は、脳にある「覚醒中枢」と「睡眠中枢」によってコントロールされています。
起きている状態を維持する覚醒中枢は、睡眠中も常に働き続けているものの、通常は睡眠を阻害することはありません。
しかし、何らかのストレスを抱えていると、覚醒中枢が優位になってしまいます。
その結果、一度は眠りに就いたとしても、覚醒中枢の働きによって夜中に目が覚めてしまうのです。
【原因③】アルコール
寝つきを良くするために、寝る前にアルコールを摂取するという人もいるかもしれません。
しかし、アルコールには利尿作用があります。
飲酒をした日は、普段よりトイレが近いと感じる人は多いでしょう。
アルコールは、摂取してから体内で代謝されるまでに3〜4時間かかるとされています。
そのため、代謝のタイミングで尿意を感じてしまい、夜中に目が覚めやすくなってしまいます。
【原因④】生活リズムの変化
生活リズムの変化も、夜中の覚醒を引き起こします。
自律神経は、活動時に活発になる「交感神経」とリラックス時に活発になる「副交感神経」に分けられます。
生活リズムの変化は、両者のバランスを崩し、自律神経の乱れにつながります。
自律神経の乱れは、さまざまな体調不良を招き、睡眠の質も低下させてしまうのです。
運動不足や栄養バランスの偏った食事など、不規則な生活によっても自律神経のバランスは崩れやすいので注意しましょう。
【原因⑤】トイレ
夜中に目が覚める原因として多いのが、トイレに行きたくなってしまうことです。
寝る前に水分を摂りすぎてしまうと、睡眠中に尿意で目が覚めてしまいます。
特に、カフェインを含むお茶やコーヒーなどは、摂取のタイミングに十分気をつけましょう。
また、見落としやすいのがトイレの照明です。
寝る前や中途覚醒時に用を足す際、トイレの明るい照明が脳を覚醒させてしまう恐れがあります。
トイレの電球を落ち着いた照度のものに取り替えたり、夜間だけでもトイレの照明を暗くしたりするなど工夫しましょう。
二度寝したいのに眠れない時はどうしたらいい?
夜中に目が覚めてしまい、二度寝しようにも寝つけない状態は辛いものですよね。
そこで、そんな時の対処方法をご紹介します。
ブルーライトを避ける
なかなか眠れないからといって、スマートフォンを操作することは絶対にやめましょう。
スマートフォンの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させてしまいます。
また、夜中に目が覚めた際、時刻を確認しようとスマートフォンを見てしまうことはありませんか?
短時間でもブルーライトを浴びると、睡眠の妨げとなるので注意しましょう。
なお、ブルーライトを発する機器の使用は、就寝前から控えることが重要です。
どうしても夜間に使用したい場合は、ナイトモードやブルーライトカットフィルムを利用するなどして、画面の照度を落としましょう。
音楽を聴く
寝つけない時は音楽を聴くのもおすすめです。
好きな音楽でリラックスし、副交感神経が優位になるよう心がけましょう。
ただし、激しい音楽や歌詞のある音楽は脳が覚醒してしまうので避けてください。
寝る前に聴くのであれば、ゆったりしたリズムの音楽を選びましょう。
また、眠る前には必ず音楽を止めて、寝ている間は音楽を流し続けないようにすることもポイントです。
呼吸法を変える
呼吸法を意識することは、睡眠の質の向上につながります。
具体的には、腹式呼吸を取り入れてみてください。
横隔膜を上下に動かし空気を多く取り込むことで、リラックス効果が得られます。
副交感神経が優位になり、快適な睡眠へと導きます。
体を冷ます
意外に思うかもしれませんが、体を冷ますことも快眠への近道です。
体温は睡眠と関連があり、脳や内臓などの深部体温が下がると眠りやすくなることがわかっています。
深部体温を下げるためには、手足の皮膚から熱を逃がすことが重要です。
うまく体を冷ませるよう、部屋の温度にも気を配りましょう。
熟睡するためのおすすめ習慣
ここからは、熟睡するためのおすすめの習慣をいくつかご紹介します。
どれも簡単なことなので、ぜひ意識してみてください。
アルコールを控える
アルコールには利尿作用があるため、睡眠中に尿意を感じる原因となります。
過度な飲酒は控え、遅くとも就寝の2時間前までには切り上げましょう。
ランニングなどの運動をする
適度な運動は、快眠のためにも良い習慣です。
ランニングやストレッチなど、無理のない運動がおすすめです。
ただし、寝る前の激しい運動は脳を覚醒させてしまうので避けてください。
長時間の昼寝を避ける
長時間の昼寝は、夜間の睡眠を妨げてしまいます。
昼寝自体は悪いことではありませんが、長くても20〜30分程度に抑えましょう。
水分摂取を控える
夜間の尿意は、中途覚醒の代表的な原因です。
寝る前にカフェインを含まないハーブティーやホットミルクでリラックスするのは良い習慣ですが、水分の過剰摂取には気をつけましょう。
入浴は睡眠の1〜2時間前
寝る直前に入浴してしまうと、体の内部が温まりすぎてしまい、熟睡しづらくなってしまいます。
寝るタイミングで、丁度よく深部体温が下がっていくよう入浴の時間帯を意識してください。
また、お湯の温度が熱すぎるのも良くありません。
ぬるめのお湯で、寝る1〜2時間前までには入浴を済ませましょう。
寝具の見直しをしてみましょう
夜中に目が覚めてしまうようであれば、寝具の見直しも検討してみてください。
枕の高さや敷き布団の素材など、さまざまな観点からチェックしましょう。
それぞれの寝具が清潔であることも重要なので、日頃からお手入れも怠らないでくださいね。
まとめ
夜中に目が覚めてしまう原因や対処法について解説しました。
考えられる原因を取り除くため、できることから実践してみてください。
睡眠の質を高め、朝までぐっすり眠りましょう。