夏の夜寝苦しいと、涼しく眠れるように保冷剤を枕にして眠りたいと考える人もいるのではないでしょうか。保冷剤は触れたものを冷やす効果がありますが、枕の上に使用するのはおすすめできません。
この記事では、保冷剤を枕にするのが危険な理由や、保冷剤以外で暑さを抑える方法を解説します。夏に合った寝具の選び方も解説するため、涼しく眠れる方法の知識を身に付けましょう。
目次
保冷剤を枕にするのは危険?
保冷剤を枕として直接肌や頭部に当てて眠るのは、凍傷が起きる危険性があるためおすすめできません。凍傷は皮膚や皮下の組織が凍結することによって起こる傷害です。(※1)
起きている間であれば、凍傷になる前にしびれや感覚の変化に気付き、自分で調整できます。しかし、寝ている間は気付かずにそのまま当ててしまうため、凍傷になる危険があるのです。
暑くて眠れない場合でも、保冷剤を枕にするのではなく別の方法で冷やすようにしましょう。
保冷剤枕以外で暑さを抑える方法
保冷剤以外で寝ているときの暑さを抑える方法には、以下4つがおすすめです。
- • アイス枕を使用する
- • エアコンの温度を調整する
- • 夏用パジャマを利用する
- • 夏寝具に変える
自分に合った方法を見つけて、快適な睡眠を手に入れましょう。
アイス枕を使用する
アイス枕は冷却効果のある枕です。ジェルが枕の中に入っており、頭を乗せると涼しく感じて眠りやすくなります。
寝る前以外は冷凍庫に保管しておくことで、何度も使用できます。保冷剤よりも持続時間が長いため、暑い中で眠る場合でも快適な睡眠が得られるでしょう。
使用する場合は、耳から上を冷やすと眠りやすくなるため、首側ではなく頭の上にアイス枕を置くようにしましょう。
エアコンの温度を調整する
暑くて眠れない日は、エアコンを止めて寝るのではなく、温度設定を調節してつけたまま寝るのがおすすめです。寝る前は部屋が冷えていても、エアコンを止めれば時間が経ったときに寝室が暑くなり目が覚めてしまう可能性があります。
寝室の温度は25度前後が推奨されています。エアコンをつけなければ夏場は深夜でも28度を超えてしまう場合も多いため、自身が快適に眠れる温度に設定しておきましょう。
夏用パジャマを利用する
夏に涼しく眠るためには、パジャマも夏用に変えましょう。長袖長ズボンのパジャマでも、素材を涼しいリネンや吸湿性・吸水性の高いコットンに変更すると寝心地が変わります。
また、長袖長ズボンのパジャマでは暑くて起きてしまう場合は、半袖半ズボンのパジャマを着用する方法もあります。手足が出ることで快適に眠れる人もいるため、自分が寝やすい状況を考えてパジャマを選びましょう。
また、パジャマを選ぶ場合は、前述したエアコンの設定温度と合わせて丈の長さを選ぶと、エアコンによる寝冷えを避けられます。
夏寝具に変える
冬用の寝具は防寒性に優れているものが多いため、夏にそのまま使用してしまうと暑くなってしまう可能性があります。暑さで寝苦しさを感じたら、タオルケットや夏用肌掛け布団など涼しい寝具へ変更しましょう。
夏寝具には、軽くて涼しい作りのガーゼケットや、接触冷感機能が備わった掛け布団があります。好みの寝心地に合わせて豊富に選べるため、自分が寝やすいと感じる寝具を選びましょう。
夏寝具の選び方
自分に合った夏寝具の選び方は、以下の3つです。
- • 夏の枕の選び方
- • 夏の布団の選び方
- • 夏のマットレスの選び方
いきなりすべてを変える必要はないため、交換できるアイテムから検討しましょう。
夏の枕の選び方
夏に使う枕を選ぶときは、羽毛やそばがら、パイプなどの通気性の良い素材でできたものを選びましょう。
枕は寝ている間の汗を吸収するため、通気性の悪い素材だと湿気が枕の中に残ってしまい暑く感じてしまいます。通気性の良い素材でできた枕であれば、枕の中に溜まった湿気を放出しやすいため、暑く感じにくいのです。
また、枕本体を買い替えるのが難しい場合は、夏用枕カバーの使用もおすすめです。夏用の枕カバーは接触冷感や吸湿・速乾機能がついており、心地よく眠れます。また、気軽に洗えるため汗をかく夏場でも衛生的に利用できます。
下記の記事では、自分に合った枕を選ぶ方法を解説しているため、新しい枕を購入する前に一読しておくと安心です。
夏の布団の選び方
夏用布団を選ぶときは、素材や重さ、お手入れのしやすさから自分に合ったものを選びましょう。
例えば、夏用の肌掛け布団であればタオルケットに比べて重さがあるため、寝ている間に布団をどかしてしまう可能性を減らせます。一方でタオルケットは薄さがあり、気軽に洗濯できる点がメリットです。
素材や布団の種類によって肌触りも異なるため、好みのものを探しましょう。
また、夏の布団の選び方は下記の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
夏のマットレスの選び方
寝ているときにマットレスの暑さが気になってしまう場合は、夏用マットレスや敷きパッドを利用するのもおすすめです。
睡眠時のマットレスが暑くなってしまうのは、通気性が悪いことから吸収した汗を放出できていないからです。暑さを軽減できるマットレスに変えたり、吸水性の高いシーツを利用したりすれば改善が期待できます。
マットレスが暑いときの対策やおすすめのマットレスは下記の記事でも解説しているため、併せてお読みください。
夏にやりがちな誤った睡眠方法
保冷剤を枕にする以外にも、おすすめできない睡眠方法が2つあります。
- • 寝る前に扇風機やエアコンを止める
- • 寝る前に冷たい水を飲む
自分が行っていないか考え、思い当たる場合は改善しましょう。
寝る前に扇風機やエアコンを止める
エアコンや扇風機をつけたまま眠るのは体に良くないと聞いて、止めた状態で就寝する人もいるかもしれません。
しかし、空調を止めて睡眠に入ってしまうと、室内の風が循環せず、自身が放出した熱が体の周りに漂ったままになります。体から放出した熱がそのままだと、暑さを感じて寝苦しくなってしまうのです。
エアコンでの冷えが気になる場合は、扇風機だけでもつけておくと室内の空気が循環するため、体の放出した熱を逃すことができます。
寝る前に冷たい水を飲む
暑い時期は、体を冷やすために冷たい水を飲む人も多いでしょう。しかし、寝る前に冷たいものを飲むと胃腸が冷えてしまい、眠りにくくなります。
寝る前に飲み物を飲みたいときは、常温かぬるま湯のものを選ぶと、体温を下げる心配がなく寝やすくなるでしょう。
夏の睡眠に関するお悩みはねむりの相談所にお任せ
夏の睡眠に悩む場合は、ねむりの相談所にご相談ください。ねむりの相談所には睡眠の知識が豊富なスリープマスターが在籍しており、相談内容に合わせた適切な解決方法の提案が可能です。
夏の寝具はもちろん、お客様の寝室環境などの改善点をアドバイスできます。自分ひとりでは解決できなかった悩みも改善でき、より良い睡眠を得られる可能性が高まるでしょう。
保冷剤を枕に使わず睡眠環境を見直そう
夏の夜に寝苦しさを感じても保冷剤を使うのではなく、睡眠環境の見直しをしましょう。保冷剤を使用すると、体が冷えすぎてしまい凍傷が起こるリスクがあります。
夏の夜に涼しく眠るには、寝具を変えたりエアコンの設定温度を見直したりとさまざまな方法があります。自身に合った方法を見つければ、快適な環境で眠れるでしょう。
【参考】
※1 凍傷|日本形成外科学会