羽毛布団は長く使うほどへたりや汚れが目立ち、買い替えるべきか迷うことが多いアイテムです。
しかし、羽毛布団には買い替え以外にも「打ち直し」という方法もあり、愛用した布団を新品同様に生まれ変わらせることが可能です。
打ち直しは買い替えより安価で済むケースもありますが、一方で対応できない布団もあるため判断基準を確認しておきましょう。
この記事では、羽毛布団の打ち直しと買い替えの違いや判断基準について解説します。
目次
布団の打ち直しとは古くなった布団を解体し、新しい側生地で仕立て直すこと
布団の打ち直しとは、長年使用してふくらみが減ったり汚れが目立ってきた布団を、一度解体して中綿を取り出し、洗浄・除塵したうえで新しい側生地に仕立て直す方法です。
羽毛布団は、打ち直しをおこなって内部の羽毛をリフレッシュさせることで再びふんわりとした寝心地を取り戻せます。
また、打ち直しは買い替えとは異なり、布団を捨てずに再利用できるため、環境への負荷を減らせる点も注目されています。
羽毛布団を打ち直すメリット
羽毛布団を打ち直すことには、新しい布団を購入する際に得られないさまざまなメリットがあります。
たとえば、打ち直しによって、長年使用した布団を新品同様の状態に蘇らせることが可能です。また、費用面においても買い替えより経済的であり、高品質の羽毛を持つ布団を長く使い続けられます。
ここでは、羽毛布団を打ち直すメリットについて解説するため、買い替えにするかを検討しましょう。
- ・新品同様の布団になる
- ・買い替えより費用が安くなる
- ・サイズや厚みを変更できる
新品同様の布団になる
打ち直しでは、布団の中の羽毛を丁寧に洗浄し、ホコリや皮脂汚れなどを取り除くことで羽毛本来のふくらみを取り戻せます。
さらに、洗浄した羽毛は新しい側生地に入れ替えるため、見た目の清潔感や触り心地も大幅に改善されます。
打ち直しは古い布団を使用するといっても、仕上がりはまるで新品同様となり、衛生面でも安心して使用可能です。
長年大切に使ってきた布団が「生まれ変わった」と実感できるのは、大きな満足感につながるでしょう。
買い替えより費用が安くなる
新品の羽毛布団を購入する場合、グースや高品質ダウンを使用したものは数万円から十数万円かかるのが一般的です。
そのため、買い替えるにしても、高額という理由から悩む人は少なくありません。
一方で、打ち直しでは買い替えよりも低コストで新品同等の寝心地を得られるケースが多いです。とくに、まだ羽毛自体が劣化していない場合は、買い替えるよりも打ち直す方がコストパフォーマンスに優れているケースも少なくありません。
打ち直しによって、経済的な負担を抑えつつ睡眠の質を保てることは、多くの家庭にとって大きな利点といえるでしょう。
サイズや厚みを変更できる
打ち直しの大きな魅力のひとつが、仕立て直しの際にサイズや厚みを変更できる点です。
たとえば、子どもが成長したためシングルからダブルに変更したい場合や、夏用に薄めの布団にしたいなどの要望にも応じられます。
また、厚みを増やして冬でも暖かく使える仕様にすることも可能です。
打ち直しを選ぶことで、単なる修理にとどまらず、ライフスタイルや住環境に合わせてオーダーメイド感覚で仕上げられるでしょう。
羽毛布団を打ち直す際の注意点
打ち直しには複数のメリットがある一方で、いくつかの注意点も存在します。
まず、依頼してから布団が手元に戻るまで一定の時間がかかるため、その間の代替布団を準備しなければなりません。
また、羽毛や側生地の劣化が進みすぎている場合は対応できないケースもあります。
ここでは、事前に知っておくべき羽毛布団を打ち直す際の注意点を解説します。
- ・布団が手元に届くまで時間がかかる
- ・打ち直しができない布団もある
布団が手元に届くまで時間がかかる
打ち直しは専門業者での作業が必要となり、羽毛の洗浄・乾燥・仕立て直しの工程を経るため、完成までに2〜4週間程度かかるのが一般的です。
そのため、急に新しい布団が必要な場合には不便さを感じる可能性があります。
とくに、冬場のような羽毛布団の使用頻度が高い時期には、余裕を持ったスケジュールで依頼することが欠かせません。
もしくは、代用できる布団を用意しておき、打ち直し期間も睡眠の質が下がらないよう注意しましょう。
打ち直しができない布団もある
打ち直しは、羽毛の質が著しく劣化していたり、もともと安価で中綿の割合が少ない布団を購入していたりする場合は適さない可能性があります。
ほかにも、側生地が劣化しすぎている場合や、縫製が特殊な布団も再利用が難しいケースがあります。
このような布団を使用している場合は、無理に打ち直しをしても十分な効果を得られないため、買い替えを選びましょう。
自身で判断できないのであれば、打ち直しを受けている業者に相談することで、利用できるかを教えてもらえます。
羽毛布団を打ち直すか買い替えるか悩んだときの判断基準
羽毛布団は高価な寝具であり、長く愛用するためには「打ち直すべきか、それとも買い替えるべきか」の判断が重要です。
使用年数や羽毛の品質、費用対効果などを総合的に考慮して、打ち直しにするかを選びましょう。
ここでは、羽毛布団を打ち直すか買い替えるか悩んだときの判断基準を解説します。
①布団の使用年数
一般的に、羽毛布団は10年程度が寿命の目安といわれています。
そのため、使用年数が5〜7年程度であれば、打ち直しによって十分に蘇る可能性が高いです。
一方で、使用年数が10年以上の場合、羽毛のへたりや側生地の劣化が目立ち、打ち直しができない可能性があります。
ただし、使用年数はあくまで目安のため、気になる場合は専門業者に相談することで、打ち直しできる可能性もあります。
②羽毛布団の品質
布団の中身に使われている羽毛の種類や品質は、打ち直しが可能かを判断する要素です。
たとえば、ダウン率が高い良質なグースやダックダウンを使った布団は、打ち直しによって本来のふくらみや保温性を取り戻せる可能性が高いです。
一方で、ダウン率が低い安価な布団やフェザーが多く含まれている布団は、打ち直しても期待するほど改善されないかもしれません。
羽毛布団を打ち直すか悩んだ際は、品質表示ラベルや購入時の価格帯を参考に、利用する価値があるかを判断しましょう。
③費用の違い
羽毛布団を打ち直す費用は、生地の種類やサイズによって異なるものの、おおよそ3〜8万円程度が目安です。
一方で、新品を購入する場合は素材やサイズ次第で数万円から十数万円かかるケースも少なくありません。
すでに高品質な布団を持っている場合は、打ち直しの方が費用対効果が高いといえます。
しかし、低価格帯の布団や消耗が進んでいる布団の場合は、買い替えた方が長期的に見てお得になる場合もあるでしょう。
今の羽毛布団を買い替えるか悩んだらねむりの相談所を利用しよう
羽毛布団の状態を自分で判断するのは、難しいと感じる方も多いでしょう。
そのような場合は「ねむりの相談所」のような専門機関を活用するのがおすすめです。
ねむりの相談所には睡眠の知識が豊富なスタッフが在籍しており、プロの視点で布団の状態を診断し、打ち直しか買い替えかをアドバイスしてもらえます。買い替える場合にも、自身の睡眠習慣に合わせたものの提案を受けられるでしょう。
羽毛布団は長く使用する寝具だからこそ、プロに相談して納得いくものを購入することが大切です。
羽毛布団をケアして快適な睡眠につなげよう
長く使用した羽毛布団が劣化した場合は、打ち直しや買い替えを検討する必要があります。打ち直しと買い替えの判断を適切におこなうことで、不要なコストの発生を控えつつ、快適な睡眠につながります。
自身で布団の買い替えと打ち直しが判断できない場合は、睡眠のプロが在籍するねむりの相談所を利用しましょう。あわせて寝具や寝室環境の悩みを解決することで、毎日の睡眠をより良いものに変えられるでしょう。