睡眠時の姿勢は、人によって寝やすさはさまざまです。
人から見ると息苦しそうに見えるうつ伏せ寝には、意外なメリットも存在します。
この記事では、うつ伏せはどういった心理的理由で行うのか、うつ伏せ寝をすることによるメリットデメリットをご紹介します。
質のいい睡眠をとるためにも、睡眠時の姿勢について知識を深めて行きましょう。
目次
寝姿勢って知っていますか?
寝姿勢は、寝ているときの姿勢のことです。
寝ているときは、主に「仰向け」「横向き」「うつ伏せ」で寝ています。
寝ているときの姿勢がよくないと、肩こりや腰痛、首の痛みのような体の不調や寝起きのだるさに繋がる可能性も。
正しい姿勢で眠れると、睡眠の質が上がり効率的に疲労回復できたり、背骨の歪みを整える効果も期待できるでしょう。
仰向け寝
仰向け寝は、上を向いて寝ている状態です。
背骨がなだらかなS字カーブを描いており、体の圧迫が均等に分散されています。
身体への負担軽減に大切な、寝返りも打ちやすいのが魅力です。
デメリットとして、仰向け寝ではいびきをかきやすくなる可能性があります。
上を向いていることで舌が下に落ち、気道が狭くなり呼吸を妨げているためです。
横向き寝
横向き寝は、左右どちらかに身体が向いて寝ている状態です。
舌で気道をふさぐことなく、いびきの対策にもなります。
腰の角度を自分で調節できるため、腰痛を持っている人にもおすすめです。
デメリットとして、布団との設置面積が狭いことで肩のような出っ張った部分に負担がかかりやすくなります。
下を向いている側にも圧力がかかり、顔周りにも負担が増えるのが注意点です。
うつ伏せ寝
うつ伏せ寝は、身体の前面を下にして寝る状態です。
横向き寝と同じように、舌で気道をふさがずいびきが軽減されます。
身体の前面が布団と触れることであたたまり、安心感を得てリラックスできるメリットもあります。
デメリットとして、首を曲げて顔を枕に押し付けて寝るため、寝起き時の首の痛みや歯並びの歪みが起こる可能性があり注意が必要です。
うつ伏せ寝をしてしまう心理的理由は?
気づいたらうつ伏せ寝をしているという方は、心理的な理由が関係しているかもしれません。
うつ伏せ寝をしてしまうのは、どういった心理的理由があるのでしょうか。
ストレスが溜まっている
うつ伏せ寝は、「防衛本能」の表れといわれています。
動物の本能的な動作が関係しており、不安なときやストレスが溜まっていると、急所である前面を隠したがる性質があるようです。
子供のときから習慣でうつ伏せ寝をしている人もいますが、大人になってからうつ伏せ寝になった人は気づかないうちにストレスを感じている可能性も。
仕事が終わったあと、帰宅するなり疲れてベッドに倒れ込んでそのまま寝てしまう人がいますよね。
そういった人は、うつ伏せで寝てしまうことが多くなっています。
リラックスしたいと思っている
精神的にリラックスしたいときも、うつ伏せ寝をしてしまう人が多いようです。
環境の変化があったときやストレスがかかったとき、無意識に自分を守ろうとして、うつ伏せ寝をしている可能性があります。
うつ伏せ寝はリラックスでき安心感を得られるため、ぐっすり寝たいと思っている人は自然にうつ伏せで眠っているのかもしれません。
うつ伏せ寝のデメリット
リラックスを求めてするうつ伏せ寝ですが、どんなデメリットがあるのでしょうか。
うつ伏せ寝のデメリットをご紹介します。
体への負担が大きい
うつ伏せ寝は、呼吸のために顔を左右どちらかにねじって眠っています。
首の周りは無数の神経が集まっていますが、横向きに寝ているとその神経を圧迫してしまうのがデメリットです。
うつ伏せ寝を継続していると、腰回りのインナーマッスルが伸びた状態になります。
反り腰になりやすく、腰痛の原因になり得るでしょう。
歯並びや顔の歪みに影響する可能性も
うつ伏せ寝では顔の左右どちらかを枕に押し付けて寝る状態が続くため、輪郭や歯並びの歪みが出る可能性もあります。
枕に片方の顔を押し付けている状態で、押し付けている顔にしわができやすくなるかもしれません。
仮眠のような短時間では問題ありませんが、長時間寝る場合は他の寝方がおすすめです。
うつ伏せ寝のメリット
デメリットが目立つうつ伏せ寝ですが、メリットもあります。
どんなメリットがあるのかご紹介します。
安心感がある
人は身体の前面が下にあることで、安心感を覚えるそうです。
うつ伏せ寝はお腹に布団が密着することであたたまり、安心感を得たまま眠りにつけます。
なかなか眠りにつけないときは、1〜3分程度うつ伏せ寝をしてみてください。
その後いつもの寝姿勢に戻ることで、スムーズな入眠に繋がります。
いびきが少なくなる
仰向け寝では舌が下に下がっていびきをかきやすいのがデメリットですが、うつ伏せ寝では気道が狭まりづらくいびきが起きづらくなりす。
いびきが気になる方は、寝姿勢を変えることで改善できる可能性があります。
いびきの改善が目的であれば、横向き寝でも効果が得られるでしょう。
腹式呼吸がしやすい
うつ伏せ寝では胸が圧迫されて横隔膜が下がり、自然に下腹が膨らみやすくなり腹式呼吸に繋がります。
人は寝ているとき自然に腹式呼吸になるため、うつ伏せ寝だと呼吸がしやすい状態になります。
腹式呼吸ができると、熟睡しやすく自律神経が整いやすいという点もメリットです。
大切なのは寝返りの打ちやすさ
自分によって寝やすい姿勢は人それぞれですが、どの寝姿勢でも大切なのは寝返りの打ちやすさです。
寝返りには体温調整や血行を促す効果、体圧を分散させる効果があり、一晩で30回程度打つのが理想的な回数になります。
寝姿勢にこだわるよりも、睡眠時の寝返りをスムーズに打てるかを気にしましょう。
寝返りが上手く打てないと、睡眠のリズムが崩れて身体の負担が大きくなります。
目覚めたときにスッキリせず、「寝足りない」「疲れが取れない」と感じる時はありませんか?
そういったときは、思うように寝返りが打てていないのかもしません。
寝ているときの寝返りが打ちづらいのであれば、寝具があっていない可能性も。
普段使っているマットレスや、敷布団を見直してみましょう。
寝返りが打ちやすくなれば、睡眠の質を上げることに繋がります。
自分にあった寝具がわからなければ、プロに相談するのもおすすめです。
うつ伏せ寝に囚われず、自分にあった寝姿勢で睡眠をとろう
うつ伏せ寝はお腹があたたまり、睡眠時の安心感に繋がります。
しかし、首や肩といった身体のさまざまなところに負担がかかってしまう寝姿勢です。
睡眠時にずっと同じ姿勢で寝ていることも、睡眠の質を落としてしまう理由のひとつ。
寝ている時に寝返りを打つことも、寝姿勢を変えるタイミングになり得ます。
寝返りが上手く打てない場合は、寝具を交換することも選択肢に入れましょう。
身体にあった寝具を使うことも、改善への糸口になります。