首や肩の痛みに悩んでいると、背中まである枕が気になる人もいるのではないでしょうか。背中まである枕は上半身を枕全体で支えられる一方で、枕カバーの選択肢が少ないなどのデメリットもあります。
この記事では、背中まである枕の特徴や使用する際の注意点を解説します。メリットとデメリットをどちらも理解して、使用するか選びましょう。
目次
背中まである枕の特徴
背中まである枕は以下2つの特徴があります。
- ・上半身を枕全体で支えられる大きさ
- ・包み込まれるようなフィット感
一般的な枕とは違うポイントを理解して、使用するか検討しましょう。
上半身を枕全体で支えられる大きさ
背中まである枕は、枕全体で上半身を支えられる大きさがあります。横幅は70cmほど、縦幅は60cm以上のものが多くなっています。
一般的な枕は横長となっており、縦幅は大きくても50cmほどです。背中まで支えられる枕は縦幅が大きいため、首だけに負担がかかる心配がありません。
包み込まれるようなフィット感
背中まである枕には、ウレタン素材が使用されていることが多いです。ウレタン素材は体の形に合わせて形状が変わるため、包み込まれるようなフィット感の中で眠りにつけます。
さらに、寝返りを打った場合でも横向き寝やうつ伏せ寝に合わせてフィットするよう設計されているものもあります。柔らかな寝心地が好きな人にとって、背中まである枕は寝心地が良いでしょう。
背中まである枕のメリット
背中まである枕には、一般的な枕にはないメリットが2つあります。
- ・理想的な寝姿勢を保ちやすい
- ・肩や首にかかる負担を軽減できる
どのようなメリットがあるのか理解しておき、購入前の参考にしましょう。
理想的な寝姿勢を保ちやすい
背中まである枕を利用すると、枕が体にフィットするため理想的な寝姿勢を保ちやすくなります。理想的な寝姿勢とは、背骨が立っているときと同じように、首から背中にかけてきれいなS字カーブを描いた状態です。
理想的な寝姿勢の状態で眠りにつければ、体の負担が軽減されるため、睡眠の質が上がり起きたときのスッキリ感につながります。
肩や首にかかる負担を軽減できる
自分に合わない枕を利用していると、枕とマットレスの間に隙間ができてしまい、寝ているときに肩や首に負担がかかる可能性があります。首や肩に負担がかかれば筋肉への血行が悪くなり、肩こりや首こりの原因になるでしょう。(※1)
背中まである枕はフィット感が高く、首や肩にかかる負担が背中まで分散されます。そのため、慢性的な肩こりや首こりの軽減が期待できます。
背中まである枕を使用する際の注意点
良い面の多い背中まである枕ですが、使用時には以下の点に注意しましょう。
- ・ベッドスペースが狭くなる
- ・枕カバーの選択肢が少ない
- ・通気性が悪くなりやすい
- ・寿命が短い
- ・丸洗いができないものが多い
- ・寝返りが打ちにくい場合がある
デメリットを理解したうえで購入すれば、後悔を少なくできます。
ベッドスペースが狭くなる
背中まである枕は横幅だけでなく縦幅も大きいため、一般的な枕に比べるとベッドスペースが狭くなります。とくに、二人以上で寝る場合は、ベッドスペースによっては同じ枕をふたつ置くのは難しい可能性もあるでしょう。
購入する前に枕を設置するとどの程度の広さが使用されるのか確認しておくと、ベッドのスペースが狭くなったことに後悔しないで済みます。
枕カバーの選択肢が少ない
背中まである枕は一般的な枕とはサイズが異なるため、枕カバーを探すことが困難です。同じメーカーが販売している枕カバーしか使えない可能性もあり、購入前に枕カバーが手に入るのか確認しておく必要があります。
夏場に便利な接触冷感の枕カバーや、髪の毛に優しいシルクの枕カバーなどを使いたい場合は諦めなければいけない可能性もあるため注意しましょう。
通気性が悪くなりやすい
背中まである枕に使用されることが多いウレタン素材は、密度が高いため通気性は低くなります。通気性の低い枕は適切にお手入れしなければカビや雑菌が繁殖してしまう場合もあるため、注意が必要です。
また、通気性の悪い枕は湿気が溜まってしまうため、寝心地が悪く感じる場面もあります。定期的な天日干しや陰干しをおこない、湿気を逃がす工夫が必要です。
寿命が短い
ウレタン素材の多くは寿命が3〜5年となっていますが、保証期間が寿命より短いケースも多いです。保証期間を過ぎてしまえば、カビが発生したときや枕が潰れてしまったときなどは買い替えが必要になります。
背中まである枕は、一般的な枕に比べると価格が高価なものも多いです。一度購入した枕をなるべく長く使いたい場合は、保証期間や内容を確認して購入しましょう。
丸洗いができないものが多い
背中まである枕はウレタン素材を使用している場合が多いため、丸洗いができません。丸洗いすると枕の形状が変わるため、寝心地が悪くなってしまう可能性があります。また、通気性も高くないため、洗濯すれば完全に乾くまでに時間もかかってしまうのです。
丸洗いできない枕は、衛生的に使用できないと気になる人も多いでしょう。衛生面を重視している人には、背中まである枕はおすすめできません。
寝返りが打ちにくい場合がある
背中まである枕の中には、横向き寝やうつ伏せ寝に対応している製品もあります。しかし、製品によっては肩の部分にも厚みがあるため、寝返りが打ちにくくなるのです。
背中まである枕は仰向けで理想的な寝姿勢を保てるように作られているため、普段横向きやうつ伏せで寝ることが多い人は寝心地が気になる可能性もあります。
購入前に一度試し寝をしておくと、後悔せずに購入できるでしょう。
背中まである枕にするか悩んだらねむりの相談所に相談しよう
背中まである枕を使用するか悩んだら、ねむりの相談所に相談しましょう。背中まである枕は周囲に利用している人が少なく、実際の寝心地やお手入れについて相談できないことも多いでしょう。
しかし、ねむりの相談所には睡眠に関する知識が豊富なスリープマスターが在籍しています。背中まである枕が適しているのか、ほかの枕の方がいいのか、多角的な視点から考え、アドバイスが可能です。
また、背中まである枕を利用するときの注意点も合わせて聞けるため、納得したうえで購入できるでしょう。
背中まである枕で体の負担を軽減しよう
肩こりや首こりなど体の不調に悩む場合は、背中まである枕の利用を検討しましょう。背中まである枕は体にかかる負担を軽減できるため、より心地よい睡眠を得やすくなります。
一方で、サイズが大きい、お手入れがしにくいといったデメリットもあります。自分に合っているか悩んだときはねむりの相談所でスリープマスターに相談するのもおすすめです。
寝室の環境や体の形に合わせて、適切な提案を受けられるでしょう。
【参考】
※1肩こり 【肩・肘・首・手首の痛み】