あくびは睡眠不足のときによく起こり、一緒にいるときにあくびをされると退屈な気持ちなのかと心配になる人も多いはず。
あくびはマイナスな印象を持たれがちですが、実はコミュニケーションツールのひとつにもなり得ます。
この記事では、あくびが出る理由や人にうつる理由、予防方法をご紹介します。
マイナスイメージが持たれやすいあくびを理解して、身近な相手とより距離を近づけましょう。
目次
あくびが出る理由とは?
眠気があるときに出るといわれる「あくび」ですが、どうして出るのか原因は明らかになっていません。
あくびが出る可能性として、どんな理由が考えられているのかご紹介します。
脳の酸素不足の解消
一説では、あくびをする理由は脳の酸素不足を解消するためといわれています。
体内の細胞が機能するには、酸素が必要不可欠です。
あくびをするときは口を大きくあけて、深呼吸のようにたくさんの空気を体内に取り込んでいます。
眠くないのにあくびが出るときは、脳に酸素を送るために身体が自動的にあくびをしているようです。
脳の温度調節をしている
脳の温度を一定に保つためにも、あくびが出るという説もあります。
人間の体温は36℃前後を保っており、大きく体温に変化があると、正常に機能しなくなる場合も。
あくびをして新鮮な空気を体内に取り込むことで、脳に流れる血液を冷やす効果があると言われています。
暖かい部屋にいると眠くなり、あくびが出てしまうのは脳の温度調整が行われているからかもしれません。
脳の覚醒を促している
眠気が強く作業の進行に支障が出ていても、あくびが出ると意識がはっきりすることがあります。
寝てはいけないシーンであくびが出るときは、身体があくびによって脳を覚醒させたいのかもしれません。
あくびは人間以外の犬や猫といった動物も行いますが、自然界に生きる動物は捕食者から常に狙われている状況です。
あくびは動物の中で、目を覚ます方法のひとつになっているのかもしれません。
あくびが出るとき涙や鼻水も出るのはなぜ?
あくびをするときは口を大きく開けるため、顔の筋肉も一緒に動きます。
涙や鼻水が出るのは、このときに一緒に涙を溜める涙のうという部分が圧迫され、涙が目に流れていくことがあるためです。
あくびが親しい人にうつるのはなぜ?
近くにいる友人や家族があくびをすると、つられてあくびが出るときがあります。
なぜあくびがうつるのでしょうか?
相手に共感している
あくびがうつるときは、相手の気持ちに共感しているからと考えられています。
人間は元々相手に影響され、同じような行動をとってしまいやすい傾向があります。
見知らぬ人があくびをしていてもうつりませんが、家族や友人だとつられてあくびが出てしまうもの。
相手の気持ちを理解したいという、表れかもしれません。
相手に関心がある
あくびがうつるのは、あくびをした相手に関心があるからです。
他人への関心が薄い人にはあくびがうつりにくい特徴があります。
人に関わるのが好きな人や他人への関心が強い人ほど、あくびはうつりやすいようです。
好きな人・恋人のあくびがうつるって本当?
あくびは生理現象であって、意図的には真似できません。
意中の相手に自分のあくびがうつったとしたら、相手は自分に共感しているサイン。
好きな人や恋人があくびをしていたら、興味関心がお互いにある関係ということです。
動物もあくびがうつる
人間同士だけでなく、動物にもあくびはうつります。
群れで生きる社会性のある動物にみられる行為で、コミュニケーションのひとつと考えられています。
種類によっては、種族をこえてあくびがうつることも。
飼っている犬があくびをしたときに、飼い主がつられてあくびをすることもあるようです。
親子でも赤ちゃんはあくびがうつらない
赤ちゃんもあくびをすることはありますが、自発的なあくびであり人からうつったあくびではありません。
人間の場合あくびがうつるのは5歳からといわれており、そのぐらいの年齢から「共感性」が養われていると考えられます。
あくびが子供にうつるようになったら、大人に近づいているのかもしれません。
あくびがもたらすリラックス効果
あくびには、緊張やストレスを和らげるリラックス効果が期待できます。
口を大きく開けて体を伸ばしながらあくびをすることで、深呼吸もでき気持ちや体をスッキリさせられます。
あくびによって体を自然と伸ばすため、神経の切り替えをスムーズに行うことが可能です。
朝起きたときや眠る前にあくびをすることで、脳の状態を切り替えて起床や睡眠を助けてくれるでしょう。
あくびを止める方法4選
あくびにはリラックス効果が期待できたり、人との親しさを確認できたりとメリットが多くあります。
しかし、仕事中や授業中のように、あくびが好ましくないシーンも。
あくびを止める方法を知っていれば事前に対処も可能なため、必要であれば利用しましょう。
深呼吸をする
あくびは脳の酸欠状態を回復するために出るといわれています。
夏や冬のようにエアコンを使う季節は、室内の酸素が薄くなることも。
意識的に深呼吸をすることで、新鮮な空気を脳に届けられます。
「鼻からゆっくり吸って、口から吐く」を意識して深呼吸してみましょう。
深呼吸はあくびの改善だけでなく、緊張した体をほぐす効果もあります。
ガチガチに体が固まっていると本来の能力がはっきりできない場面も多いため、深呼吸は意識的に行うのがおすすめです。
仮眠をとる
眠気を抑えるためにも、仮眠するのも方法のひとつ。
短時間の睡眠は、注意力や集中力のアップにも効果的です。
休憩時間のような眠れる環境であれば、10〜20分程度の仮眠を取り入れてみましょう。
横になってしまうと熟睡してしまう場合もあるため、仮眠をとるときは椅子の背もたれを使い、自然な体勢で眠るのがおすすめです。
寝過ぎてしまうと、逆に目覚めや夜の寝つきが悪くなる可能性もあります。
仮眠する長さや時間帯には注意しましょう。
体を動かす
長時間同じ体制でいると、体の血行が悪くなり脳の酸欠に繋がります。
体を動かすことで血行がよくなり、あくびの予防が可能です。
体を動かすといっても、スポーツをする必要はありません。
立ち上がってストレッチをしたり、少し歩いたりするだけで十分です。
日常的に適度な運動を取り入れれば、筋肉がほぐれて寝つきにもいい影響が出ます。
睡眠不足の解消にもつながるため、できる範囲で行ってみましょう。
舌を動かす
あくびを止めるには、口内で舌を動かすのも効果的です。
舌で前歯の内側を舐めてみたり、唇を舐めてみてもいいでしょう。
軽く舌を噛んでみるのもおすすめです。
今出そうなあくびを、抑える効果があります。
あくびがうつるのは共感と親しさの証(まとめ)
あくびは退屈に感じている印象があり、マイナスなイメージが強くありますが、ときに人間関係を表す指標にもなることがわかりました。
どうしてもあくびをしてはいけない場面では、今回ご紹介した予防法を試してみてください。
あくびの理由は諸説ありますが、コミュニケーションツールのひとつと考えるのもおすすめです。
一緒にいる相手があくびをしているとしてもマイナスなイメージは持たず、共感してくれていると考えてみれば、相手との距離がまた少し縮まるでしょう。